先日、鎌倉花火大会が中止になったと報じられ悲しみに暮れる筆者でございます。鎌倉へは毎週のように仕事で訪れているので思い入れがあったのだが、残念でならない。去年(2016年)には、お台場の花火大会(東京湾大華火祭)が当面休止という報道もされ、ますます夏の見所を失いつつある関東地方。
しかも、これらは「中止」ではなく「休止」なので、来年も再来年もやる予定はない。
唯一の救いは「廃止」ではないというところだ。条件さえ整えば復活の可能性はないこともない。そうなると、中止になった経緯がカギになってくる。
鎌倉花火大会、休止の理由
毎年十数万人が訪れる鎌倉の三大行事『鎌倉花火大会』。今年(2017年)の開催は、7月19日に予定されていた。休止が決定したのは4月10日だが、事の発端はその1ヶ月前にあったようだ。
市議会は3月、観光協会のパートスタッフが雇い止めにあった疑いがあるとして、理事会の議事録などの提出を求めた。
– 朝日新聞
要するにこれは、不合理に解雇された人がいたんじゃないかということで鎌倉市が鎌倉観光協会に「ちょっと記録見せて!」と頼んだということだ。
これに対して観光協会はなんでやねんとばかりに見せるのを拒み、怒った市は毎年出している補助金の中から4700万を削減して制裁にでた模様。こうなると、観光協会は存続すら危ない状況になり、花火大会どころではなくなり、休止に至ったようだ。
こんなことを言えば怒られるかもしれないが、これ完全に市と観光協会のケンカである。
住民や観光客からしてみれば、自分たちの知らない所で勝手に事が起こり、その結果花火大会などの行事が見れなくなったわけなので、一番損しているのは住民や観光客といった一般人であることを忘れてはならない。
この花火大会は、もともと戦争の傷を癒そうということで今から69年も前に始まった、歴史と意義のある大会だ。今後の開催は全くの白紙のようだが、こんなことで半永久的な休止に至ってしまって本当に良いのだろうか?街や観光の人たちのためにも、仲直りしてうまくやってくれることを願う。
東京湾大華火祭、休止の理由
一方、去年(2016年)より休止になったお台場のレインボーブリッジ付近で開催される東京湾大華火祭(だいはなびさい)の休止理由は以下の通りだ。
メイン会場の場所が、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う選手村とされ、その整備工事に着手していることから <以下省略>
– 中央区役所
これは正直仕方がない。経済効果や町興しなど様々な観点から見ても、オリンピック・パラリンピックが優先されるのは理解に難くない。
ただ、筆者としては、オリンピックの時に花火大会が見たかった。実は、東京オリンピック・パラリンピックと一般的な花火大会は開催時期が重なっている。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは7月15日〜8月31日を予定している。同じく、世の中一般的な花火大会もほとんどこの時期に集中している。東京湾大華火祭も、例年8月10日前後の開催だったので、まさにオリンピック真っ只中で行われると思っていた。
この感じだと、人の多さもあって安全確保ができないであろうし、代わりに開会式の花火もあることなので、実現は難しいだろう。
しかし、中央区は早期復活のため新たな大会場所を検討しているようだ。どちらにしろ、東京オリンピック・パラリンピックが終われば、復活の準備が整うので、それまでのお預けだろう。
おわりに
今年はご存知のように、春の桜も日本列島各地で満開時に雨が降ってしまったので、完全な姿を拝めた人は非常に少ないだろう。その上、夏にも大きな花火大会が2つ欠けている現状の関東地方。もちろん花火大会やお祭りは他にもたくさんあるが、やはり楽しみは多いに越したことはない。
日本の風物詩である花火大会がこれ以上消えてしまわないことを、そして近いうちに復活することを(もしくは、新しい大きな花火大会が誕生することを)祈っている。