人気5大ウェブブラウザの中でも、頭 1 つも 2 つも抜きん出てる Google Chrome 。統計ではなんと、国内でインターネットを使用している人の約半数が Google Chrome を使っているという結果も。
使いやすい、慣れているから、親しみがあるから、などなど理由は様々であろうが、筆者の周りの IT 系の人たちによれば「拡張機能が充実している」というのが一番多かった理由だ。
知らない方のために補足しておくと、ウェブブラウザには、誰でも簡単に機能を追加してより使いやすくする『拡張機能』というものがある。これは、ブラウザの設定(もしくはプロパティ)から簡単にインストールして取り入れることができ、しかも主要な拡張機能のほぼ全てが無料だ。
知らない、使わないなんてもったいない!ということで、お使いの Google Chrome をもっと快適にするため、みんなが選ぶ無料のオススメ拡張機能を厳選して 10 個ご紹介。
目次
Chrome って何?
と、その前に、Chrome について少し。実は思っている以上に多くの人が読み間違えてる Chrome の読み方。あなたは間違って覚えてないだろうか?
そもそも、学校の英語の授業で Chrome なんて単語はまず出てこないため、社会人になってもローマ字読みで「チュロメ」や「チョロメ」、見た目の雰囲気で「チャーム」なんて覚えている人が意外に多かったりするようだ。実際、ネット上やSNSでも結構見かけたりする。
知ってる人には当たり前のことだが、正解は「クローム」。ちなみに「クロム」ではない。発音など細かいことを言えば「クローム」が最も正しいカタカタ表記だそうだ。
「 Chrome(クローム)」を辞書でひくと、こんな意味が出てくる。
クロムメッキを施したかのように、見かけが良くて人を惹きつけるが、システムの性能向上にはほとんど(または全く)繋がってない機能のこと。
– 英辞郎 on the WEB
普通に解釈すれば「見た目は魅力的で良いけど中身がない」と言ったところ。なんでそんな名前つけてん!ってなりそうな自虐的ネーミングセンスだが、もちろんちゃんと由来がある。
2008年、このニュースサイト WIRED に載せられたコラムによると、エンジニアの間では Chrome というのは、今あなたが開いているインターネットのフレーム、メニューボタン、ツールバーなんかをまとめてそう呼ぶのだそうだ。Google Chrome(グーグルクローム)の開発者たちは「ブラウザというものは、意識しなくて良いくらい透明な存在であるべきだ。」としており、この技術的な言葉 Chrome の部分に力を入れて、みんなが使いやすいブラウザを作ろうという意味で名前が Google Chrome になったそうだ。
ちなみに、Google には “Content, not chrome.” というポリシーがあり、これは要するに「大事なのは中身であり、見かけじゃないのだよ。」という辞書の Chrome の意味を皮肉ってるわけだ。
オススメ拡張機能 10 選
では、どんどん紹介していこうと思うが、注意点として、ここで言う拡張機能はパソコンの話でありスマホではない。スマホにはアプリ版の拡張機能があるが、スマホにあるものはパソコンになく、その逆も然りと言うように相互関係がないものが多いので、今回はあくまでパソコンの拡張機能についてのみとする。
1. Adblock Plus(アドブロックプラス)
世界1億ダウンロードを超えた最大手の広告ブロッカー。
YouTube や Facebook の広告をはじめ、ネット上のバナー広告、ポップアップ広告、その他目障りな広告全てを根こそぎ排除してくれる。
広告ブロッカー自体、拡張機能の代表格であり、Adblock Plus 以外にも数多くのものが存在するが、この Adblock Plus は、オープンソースで何百人ものボランティアの貢献によって成り立っているのが特徴。
ただ、この広告ブロッカーというものは大きな副作用がある。仮に、全ての人が広告ブロッカーを導入してしまうと、ネット上の広告収入というものがなくなる。そうなると、サイトを運営している各企業ならびに個人の方々はみな収入がなくなり、サイト数は激減し、情報量も失われ、最終的にネットユーザーにその影響が及ぶ。
もちろんこれは仮定の話だが、それほどこの広告ブロッカーは威力があるということだ。
この状況を回避するため、Adblock Plus は『控えめな広告を許可する』という設定が導入された。小さい広告や目障りにならないよう工夫をしている誠意あるサイトを支援するために追加された機能なのだが、もちろん、みんなこの設定を無効にすることができる。
2. SearchPreview(サーチプレビュー)
上の画像の通り、なんと検索結果でサイトのプレビューが一緒に表示される。
これにより、検索結果でいちいちサイトをクリックしなくても中身がある程度見えるため、目的のサイトを探すスピードがはるかに上がる。
サイト内部を視覚的に確認できるというのは、実に利便性が高いことだ。
3. AutoPagerize(オートページャライズ)
この拡張機能をオンにすると、ページを下へスクロールした時、次のページがある場合は「次へ」のボタンを押さなくても自動的に次のページが継ぎ足されて表示される。
通常、サイトによってはページの内容が複数ページにわたって分かれていることがよくある。ニュースサイトなどは特にそうだ。
これを使えば、そんなわずらわしさとはオサラバ!
もちろんサイトのみならず、上の画像のように、検索結果も下にスクロールするだけで自動的に次のページが繋がって表示される。
人間は細かいことに対して無意識に煩わしさを抱えているもの。「次へ」ボタンも、意外にそれだったりする。
この快適さは病みつきになるだろう。
4. Incredible StartPage(インクレディブルスタートページ)
Google Chrome(グーグルクローム)を起動した時の最初のページを劇的に便利で見やすく使いやすいものにしてくれる。
具体的には、ブックマーク、アプリ、メモ、よく行くサイトなどが、一度にわかりやすくまとめて表示される。また、上の画像の左側「Closed」と表示されている所では、最近閉じたページが表示され、「もう一度見返したい」「間違ってページを消してしまった」なんて時に、いちいちメニューバーから履歴に行かなくても済むようになっている。いまいちメリットが湧きにくい拡張機能ではあるが、使ってみるとその利便性の高さに気付かされる。
5. Google Mail Checker(グーグルメールチェッカー)
ブラウザの右上に Gmail ボタンとその未読数が表示されるという、ただそれだけのシンプルな拡張機能。
Gmail を使わない人、Gmail はスマホで確認しているという人たちとっては、全くもっていらない機能だが、それ以外の人、例えば毎度 Google にログインして Gmail を見ているという人にとっては、これ以上ない神機能である。
ちなみに、当然 Gmail ボタンを押すと Gmail に飛ぶ。
6. WOT(ウェブ オブ トラスト)
世界中の何百万というデータを元に、検索結果で表示されたサイトがそれぞれ信頼できるウェブサイトなのかを一目でわかるように色のついたマークで示してくれる。
信号機と同じ考えで、赤いマークは「危険」、黄色いマークは「注意」、上の画像のような緑のマークは「安全」を意味している。
インターネットのセキュリティというものは、基本的にお金のかかるものが多いが、これは無料の拡張機能であり、自分で判断できるところも良い。
7. iKnow!(ポップアップ辞書)
辞書系の拡張機能は数多くあるが、その中でもこれは学習に重きを置いているもの。
そもそも、英語の意味を調べようとしてる時点で、ある程度(あるいはまさに)学習のつもりがあるはず。であれば、最初から学習を重視した機能の方が便利なのでは、というもの。
カーソルを合わせただけで意味が表示されるのはもちろん、この拡張機能はネイティヴの音声まで再生できる。あるようでなかった大事な要素。
筆者も海外の大学を出ている身で言わせてもらうと、辞書で単語を調べても、発音がわからなければ何の意味もない。言語は実用的なものなので、こういった機能は理にかなっている。
8. Clear Cache(クリアキャッシュ)
これはちょっとした必殺技で、ワンクリックでキャッシュを消去できる機能。
検索結果やサイトを開く動作がなんだか遅くなったという経験はないだろうか?
それは大抵キャッシュの溜まりすぎが原因だ。
キャッシュとは「貯蔵庫」と言う意味を持っており、自分が訪れたウェブサイトのデータが蓄積されている場所のことだ。閲覧履歴と考えてもらっていい。このキャッシュのおかげで、一度訪れたことのあるサイトなら、次回の表示スピードが劇的に速くなるというメリットがある。
ただ、当然パソコンにも容量というものがあり、キャッシュの蓄積にも限界がある。キャッシュが溜まりすぎると逆に重しになるのだ。そんな時は、キャッシュを消去した方が良い。そうすることで、動作スピードが改善される。残念ながら、閲覧履歴も同時に失われてしまうが、動作が遅いままよりは遥かにマシだ。
通常、キャッシュの消去は、ブラウザ設定や閲覧履歴の所からおこなっていくが、この拡張機能をオンにすれば、上の画像のようにボタンが表示されワンクリックで完了するという、手間を完全に省いた優れもの。
9. Black Menu(ブラックメニュー)
これは個人的にオマケといった感じだが、Google が提供する全ての機能がまとめて一覧表示される。
Google は周知の通り、検索機能のみならず、Gmail、YouTube、翻訳機能、Googleスプレッドシートと呼ばれる Word・Excel・PowerPoint のような機能などなど、あまりにも多種多様なものが存在する。
これら Google の仲間たちを、ブラウザの右上をクリックするだけで一覧表示してくれるというもの。
「普段 Google 関連のものは検索しか使ってない。」なんて人には正直いらない機能だが、検索機能以外に 2 つ以上 Google の機能を使っているのであれば、必ず役に立つ拡張機能だ。
10. LastPass(ラストパス)
これは簡単に言うと、パスワードのあらゆる煩わしさから解放してくれる拡張機能。
おそらく拡張機能全体の中でも、最初に紹介した Adblock Plus と並んで最も有名なものだ。
使い方は至極簡単。パスワードをひとつだけ作って覚えておくこと。あとは、LastPass が残りの面倒を見てくれる。
具体的には、ログインが必要なところは自動で入力してくれたり、パソコン・スマホ・タブレットなど全てのデバイスでパスワード情報を同期してくれたり、ちゃんとバックアップも取ってくれたりする。
この LastPass は、なにやらセキュリティ面で受賞歴があるようで、様々なところでこの受賞歴推しが強いのだが、これの本当にすごいところは、実際に自分でパスワードを管理するより安全な場合が多いことだ。
そんなまさか!と思うだろうが、実際多くの人が、実にわかりやすいパスワードにしていたりする。そして大抵は、ほとんど全てのアカウントやIDに同じパスワードを使っていたりする。心当たりはないだろうか?
一方、LastPass は、軍隊で使われる強力な暗号技術で情報を守っている。その情報を仮に開示できるとしたら、それは自分が最初に決めたマスターキーとなるパスワードひとつだけ。そして、そのマスターキーとなるパスワードは LastPass すら知らない。自分だけだ。
拡張機能のデメリット
ブラウザの機能をさらに高めてくれる拡張機能だが、当然デメリットもあるのでしっかりお伝えしておきたい。
近年のウェブブラウザはどれも、我々がそれを望むように、シンプルかつ軽い動きが決め手になっている。Google Chrome もやはり、そこが売りになっているわけだが、いくら天下の Google Chrome といえど、拡張機能をたくさんインストールしすぎると、その分メモリーを消費してしまうので、検索や表示などの動作が遅くなり、元も子もなくなってしまうことがある。
拡張機能は、自分の使い方に合わせることが大事だ。必要なものだけインストールし、不要なものは排除しておくことが快適に使うコツだ。
まとめ
拡張機能はこの他にも、転売やブロガーなどネットで稼ぐ人たちをサポートするものがあったり、ネットショッピングを便利で快適にするもの、YouTube や Facebook 専用のもの、ツイてない日やサボりたい時に使うといったユニークなものまで、本当に多種多様である。
今回は Google Chrome を使っていることを想定して拡張機能を紹介してきたが、そのわけは、 Google Chrome は、他のウェブブラウザより拡張機能の数が圧倒的に多いからだ。
普段から Google Chrome で検索している人は、ぜひ拡張機能を取り入れて、日々のネットライフをさらに快適にして頂きたい。
